蓋を閉める

食べ終えた食卓の前で 花柄のおかず容器の蓋を閉めた。 朝が終わっていく。

本を閉じて、挟んだ指のまま窓の外を見る。通り過ぎる並木が紙の上に陽を一度ずつ揺らして去っていく。

最初の停車駅の前

クリーム色の陽が肘掛けまで届いている。まだ降りなくても、パスポート入れは膝の上に置いておく。

黄色い鉛筆

湯気でくもった窓が、そばで息をしています。ノートの上に鉛筆の先を立てると、傘たちが色の点になって通り過ぎていきます。

スタンド

朝なのに夕方のようにスタンドをつけた。日差しはもう部屋の中にあった。

唐辛子

朝の日差しが、庭に広げた唐辛子をひとつずつ叩いていきました。種がかさりと鳴り、まだ乾ききらない赤い色が少し残っていました。