
唐辛子
朝の日差しが、庭に広げた唐辛子をひとつずつ叩いていきました。種がかさりと鳴り、まだ乾ききらない赤い色が少し残っていました。
路地を歩きます。塀の向こうから越えてきたものの前で、少し立ち止まります。
골목을 걷다 만나는 담장 너머의 것들 — 넘어온 가지, 대문 앞 화분, 넘어오는 냄새
ひとつの情景を中心にいろいろなかたちを織りまぜて、 日常·好みの物語をよく届けています。

朝の日差しが、庭に広げた唐辛子をひとつずつ叩いていきました。種がかさりと鳴り、まだ乾ききらない赤い色が少し残っていました。

朝七時、屋上の手すりに干された洗濯物が、すべて片側に寄っていました。白い掛け布団が端までぴったり寄せられて、もう少し吹けば越えてしまいそうに見えました。それを見上げながらふと、あの人も今日は少し歩きたかったのではないか、と思いました。 風が休んでいるあいだ、屋上の床に描かれた物干し綱の影。その影のあいだで日差しがゆらゆらと動き、私は自分の尻尾だけを見ていました。 その影の中で布団が少しずつふくらんでは沈むのを見ると、風が休んでいるあいだも、洗濯物はずいぶん生きていました。

昼の日差しが地面に丸い光を描いた。器の中の水が少し減っていた。誰かの一日が、半日ほど過ぎていった場所だった。 私は器を見ていて、猫が水を飲むときに喉を動かしたであろう影を思った。あの家は私に扉を開けたことはないが、その前では、いつも誰かの一日が生きている。

私もそちらの空を、一度見上げてみました。

朝六時半、塀のむこうからテンジャンチゲのにおいが立ちのぼってきました。 そのにおいを吸い込んでいるあいだだけは、見知らぬ路地も古い家のように思えました。

どやどやと過ぎていった足音がまだ冷めないのに、道はもう自分の速さに戻っていました。私はその速さで長いこと歩きました。