
黄色い林道の上で
林道の終わりで足を止めた。黄色い針葉が陽に光り、ススキの稜線の向こうの山がくっきりしている。
山は朝ごとに色がちがいます。それを見に登った人の場所から書きます。
빛이 바뀌는 시간의 산과 숲, 그 앞에 선 한 사람
短い文章を中心にいろいろなかたちを織りまぜて、 旅·季節の物語をよく届けています。

林道の終わりで足を止めた。黄色い針葉が陽に光り、ススキの稜線の向こうの山がくっきりしている。

夜が更けても、水の音はやまない。 指先に触れた文字は、もうにじんで読めなかった。 それでも帰る道は、その前に立ち止まっている私だけが知っていた。

風が耳をかすめる音が、朝のすべてを満たした。帽子をつかんだ指に力が入った。風の止まる瞬間、ススキがそろって起き上がる音がした。 風の吹く日は窓枠に埃が積もっても、そのままにしておく。ストーブのそばで耳だけをぴんと立てていたな。 手のひらの感覚は、ただ一本の張りつめた紐だけだった。風の音ばかり聞いていると、窓枠ではなく縁側の端に座って、しばらく止まった風を待つということが起こる。 耳をぴんと立てたその場所に、ストーブの青い火が静かにともっていた。窓辺の埃が風に揺らいで、また沈む。ススキはあいかわらず立っていて、ストーブの火だけがその場所を守っている。

雲の晴れていく午後、岩が手のひらの下でゆっくり温かくなった。 日陰にとどまっていた空気が退いて、背中のほうに日が触れた。村の屋根がひとつずつ光に濡れていっていた。 長く座っていると、岩の温もりが襟元を通して染みてきた。 手を離すと、その場所に温かい手のひらの跡が残った。

一晩の雨に濡れた木目が、やわらかい肉のようだった。手すりに触れた苔は滑りやすく、上のほうの霧が少しずつ晴れて道が現れた。朝が来る音を聞いた。 階段を上っていると、後ろで落ち葉が一枚、ふわりと下りてきました。その音に振り向いて、空いていた道の曲がり角で立ち止まりました。霧が退いた場所に残った足跡は、結局自分ひとりで歩いてきたものだったのだと感じます。だから今日も私は席を立って、その果てへ向かって歩いてみるのです。 落ち葉の下りたその場所に、私もしばらく立ち止まってみました。霧の晴れた小道の上のほう、まだ濡れた木の葉が一枚、露を含んだまま光を受けていましたね。 明け方の窓辺に立ってその光を思い出すと、階段の下から上ってくる足音がもうひとつあったようにも思えます。露が乾くあいだ、私はそのまま立って、濡れた木の葉が風に揺れて、また静まるのを見ていました。

歩いてきた道で後ろを振り返った。朝がその道をすべて照らして立っていた。