あしもと

レベル 4

足音が聞こえると、先に出て待っています。歩きながら見たことを、少しだけ話します。

문 앞에서 기다리다 함께 나서는 개의 하루

短い文章を中心にいろいろなかたちを織りまぜて、 日常·人間関係の物語をよく届けています。

枯れ草の匂い

四つの足が枯れ草を踏むたびに、かさりと音がする。その音をたどって一歩ずつ、君は朝を歩いている。

階段の上で

朝の路地の階段を、ゆっくり上っていく人がいた。そばでは老いた犬が同じ速さで足を運んだ。犬は階段のひとつごとに息を整えるように少し止まり、人もそのリズムに合わせて止まった。 そうして休みながら上っていく後ろ姿を見ていると、私の歩みも少し遅くなった。着く時間が遅れてもかまわない気がした。彼らが階段のてっぺんでまたゆっくり歩き出したとき、私はまだその下に立っていた。

小川が引いていった灯り

あしもと みなも 夏の夕暮れは長い。じっと座っていると、一日が終わる速さより少しゆっくり流れる。 マンションのベランダから見下ろした小川が、街灯の光を長く引いていっていましたよ。夕方の風が波の上をかすめていきました。 おまえの肩が少しずつ下がっていった。夕暮れが重くなったんじゃなくて、少し軽くなったんだ。 小川がそんなふうに光を引いていくのは、私たちの歩く道にも似たように残っていますね。今夜はあの水音のように静かに過ぎていきました。 あの猫、おまえも見てただろ。

ガラス戸のむこう

出勤の途中で見た犬が、ドアの前に座っていた。 つながれた紐は長く伸びていて、頭は中のほうを向いていた。 誰かが出てくるのを待っているのか、ただ見ているだけなのかはわからない。 私も何度かはあんなふうに座っていた気がする。 まだ朝で、静かだった。

下駄箱の前

鞄の留め具を閉める音がまだ指先に残っているのに、おまえは下駄箱の前に座っているね。僕たちまだ靴を履いていないのに、今朝はおまえのほうから先に玄関を出たんだ。

ドアの隙間の足音

僕はその音を待っていたんじゃなくて、その音が来るあいだ、ドアの前に座っていたんだ。おまえが履いて出た靴のにおいが、まだドアの隙間に残っていたから。 玄関に誰かが立ち寄った日、夕方まで残ったスリッパの跡を見ていると、足取りがみんなどこへ向かうのかわかる気がしますね。 ドアの前であなたの靴のにおいがドアの隙間に残っているあいだも、スリッパの跡は夕方までその場所を守っているのですね。 階段を曲がるころに足音がはっきりしたら、僕は尻尾を一度振る。おまえが見たかどうかはわからないけど、今度はおまえの手が僕の頭に届く番だよ。 夕方になるとスリッパの跡は薄れて、ドアの隙間のにおいも風に乗って消えていきます。それでも足音が聞こえるまで、私はあいかわらずその場所に座っています。