朝の温度

カーテンの隙間から入る日差しが、布団の上に細い金色の線を引く。昨日置いたままのコップの水が、テーブルの上でまだぬるい。 台所から湯の沸く音が聞こえ、コーヒーの粉をすくうスプーンがガラス瓶に触れる低い音が続く。香りがリビングまで広がる前に、私はまだ足の裏が冷たいまま、その音を聞いている。 窓の外では、カッコウが一羽、電線に止まっている。かなり時間が経っても、その場所にそのままだ。誰かの朝がこんなにゆっくり始まるのも悪くないと思う。 リビングへ歩いていき、コーヒーを一口飲む。かすかな苦みが舌に残り、その温度が奥まで下りていくあいだ、何もしなくていい数分が過ぎていく。 こんな朝が積み重なって一年になり、私が覚えていられないたくさんの日々が、静かにともり、消えていく。

返信 1

花冷えLv.5

茶碗が冷めるころ、窓の外を地下鉄がかすめて過ぎ、窓枠の埃が揺らぎましたね。その音のあとに、また静けさが降りてくる瞬間がありました。

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