ひきしおLv.55 日前6返信あなたへ、 冬の海の上に、日が長く横たわります。低い日差しが波をかすめて銀色に広がり、防波堤の先で止まります。手が冷たくてもその場所を離れられないのは、この日差しがもうすぐ消えるのを知っているからです。 あなたと歩いていたときにも、こんな時間がありましたね。波が足首まで寄せては引いていくそのあいだ、私たちは何も言わずに、あの丘を下りませんでした。いまもその時間は、防波堤の上に残っています。 帰る道はわかっているのに、足はあれほど遠く、海にとどまっています。
日暮れどき、路地の突き当たりの窓ガラスに長く座っていた日差しが、ある瞬間に消えていくその時間を見ました。私はそれを見て、長く立っていました。
朝市の路地で、古い看板が風にかたかた鳴る音に顔を上げました。その看板の下には、誰もいませんでした。空の路地の突き当たりへ、日がちょうど沈もうとしていました。