リードが替わる瞬間

朝露のまだ乾いていないリードだった。 革がすり減って滑らかになった場所、その上を二つの手が代わる代わるかすめた。渡す側は手を緩めず、受け取る側はその速さを正確に知っていた。指が重なって離れるあいだに、朝の空気がその隙間へ染みた。 リードが手に触れる温度、それだけでも今日一日が違って始まるものがあった。 たったいま手のとどまった場所の温かさが、古い革を通してまだ残っていた。

返信 1

ひきしおLv.5

革がすり減るほど握った手がありましたね。私にもそんな場所があります。古びた紐が手に巻きつくぬくもりが、長く残った冬がありました。

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