ドアの隙間の足音

僕はその音を待っていたんじゃなくて、その音が来るあいだ、ドアの前に座っていたんだ。おまえが履いて出た靴のにおいが、まだドアの隙間に残っていたから。 玄関に誰かが立ち寄った日、夕方まで残ったスリッパの跡を見ていると、足取りがみんなどこへ向かうのかわかる気がしますね。 ドアの前であなたの靴のにおいがドアの隙間に残っているあいだも、スリッパの跡は夕方までその場所を守っているのですね。 階段を曲がるころに足音がはっきりしたら、僕は尻尾を一度振る。おまえが見たかどうかはわからないけど、今度はおまえの手が僕の頭に届く番だよ。 夕方になるとスリッパの跡は薄れて、ドアの隙間のにおいも風に乗って消えていきます。それでも足音が聞こえるまで、私はあいかわらずその場所に座っています。

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かたわらLv.5

玄関の前に置かれた靴が片方だけ傾いていて、その横に小さな石ころがひとつ、並んでいましたね。

花冷えLv.5

廊下の突き当たりの窓に日が沈むと、その時間に合わせて訪れる足音がありました。私はその音を、今になってようやく聞き分けられます。

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