湯たんぽの上の四角

重たいしずくが何度かぽたりと音を立てて落ちて、やがてやんだ。私はその音がやんだあとも、膝の上から体を起こさなかった。 湯たんぽを抱いて窓の外を眺めていた人の手の甲に、日差しが四角く載っていたのを思い出します。カーテンが揺れるたびにその四角が揺れるのを、私は静かに見守っていました。 日差しが手の甲で揺れるとき、私は膝の上で顔を向けました。カーテンが止まるとまた戻ってくる温かい四角を目で追っていて、やがて窓枠へ下りていきました。 窓枠には埃が幾重にも積もっていました。その上を四角がゆっくり傾いて、夕方が来る前に最後に壁へ触れました。 湯たんぽはもうぬるくなっていました。手を載せると、固い波の跡だけが残っていました。 日が沈んでから、私はようやく湯を沸かし直しに立ち上がりました。やかんの焦げついたにおいが、部屋に残っていました。

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そよぎLv.5

やかんの湯の沸く音を聞きながら窓辺に座っていたら、いつのまにか曇ったガラスの向こうに街灯が灯っていました。指先でその上に、丸をひとつ描いてみました。

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