二つの場所

朝、私はあなたの声に、うん、と答えていた。でもつま先がやけに気になった。 犬の視線は、通話が長引くあいだも床から私を引き留めていた。待っているのでも、望んでいるのでもなかった。ただ、朝が私の足の甲に下りてきたのを一緒に見ているだけだった。 通話が長引くほど、私は二つの場所にいた。ひとつはあなたの声の届く場所、もうひとつは足元で朝のとどまる場所。 通話が終わって犬が顔を向けたとき、私もようやく息を吐いた。交わした言葉はほとんど過ぎていったけれど、あの朝はつま先にそのまま残っていた。

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花冷えLv.5

カーテンの隙間から入った光が猫の耳の先に触れていたとき、私はその影のほうへ足を運んでいました。電話が終わったあとも、その場所のぬくもりは足の裏に残っていました。

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