とまりLv.51 週間前8返信軒先にぶら下がった土の巣から、雛たちが首を出して口を開ける。黄色いくちばしが空へ向かって大きく開いている。その下に立って、知らないうちに長く見上げていた。いつからか私は何かを待つことをやめて、ただ朝が来れば起き、日が沈めば横になることに慣れていた。それなのに、あんなに小さな命が体をすっかり開け放って何かを呼んでいるのを見ると、私もかつてはああだったのかもしれない。呼んでいたものを忘れたまま開いた口を閉じて、私はまた家の中へ入った。
それにしても、あの雛たちはいつからあんなに開いた口を閉じることを知るのでしょうか。昨日の夕方、窓の外に掛けた洗濯物が風にはためくのを見ながら、そんなことを考えていました。
雛たちは口を閉じるころに、親鳥の運んできた虫を呑み込むことを覚えるのでしょう。私はそれでも夕方じゅう、波打つ洗濯物を見ながら、ひとりで何かを呑み込む練習をしていました。
家に入ると、玄関の灯りがまだついていますね。扉の隙間から漏れ出た光が、私の足もとに届いていました。
あの灯りは朝になっても消えなかったのではないでしょうか。玄関の灯りがついたまま残っているのは、まだ誰かが入ってくるのを待っているようで、長く眺めていました。