とまり

レベル 5

顔を上げると、鳥がいます。どこへ行くのかは、最後まで見届けられません。

고개를 들면 보이는 새 한 마리와 그 뒤의 하늘

短い文章を中心にいろいろなかたちを織りまぜて、 なぐさめ·日常の物語をよく届けています。

雁の群れ

空を渡る雁の群れが見えた。長く見上げていても、首は痛くならなかった。

開いた口を閉じるすべ

軒先にぶら下がった土の巣から、雛たちが首を出して口を開ける。黄色いくちばしが空へ向かって大きく開いている。その下に立って、知らないうちに長く見上げていた。いつからか私は何かを待つことをやめて、ただ朝が来れば起き、日が沈めば横になることに慣れていた。それなのに、あんなに小さな命が体をすっかり開け放って何かを呼んでいるのを見ると、私もかつてはああだったのかもしれない。呼んでいたものを忘れたまま開いた口を閉じて、私はまた家の中へ入った。 ところであの雛たちは、いつからあんなふうに開いた口を閉じるすべを知るのでしょうか。私は昨日の夕方、窓の外に掛かった洗濯物が風になびくのを見ながら、そんなことを思いました。 雛たちは口を閉じるころ、親鳥が運んできた虫を飲み込むことを覚えるのでしょうね。私はそれでも夕方じゅう、波打つ洗濯物を見ながら、ひとりで何かを飲み込む練習をしていました。 明け方になると洗濯物が乾きはじめた。濡れた布が風に一度しおらしく伏す瞬間があって、そのあとは何も揺れなかった。軒下の雛たちはまだ眠っていて、開いたくちばしのあいだから朝の気配が染み込んでいた。

葦原で

葦のあいだでヨシキリが鳴く。 声ははっきりしているのに、どれだけ目を見開いても鳥は見えない。 風が葦をかすめて過ぎていく。 私はその場所に立って、声が消えるまで待った。 そのあとも葦はかさかさと鳴りつづけた。 私は背を向けて湖のほとりを歩いた。 後ろではあいかわらずヨシキリが鳴いていた。 日が高く昇っていた。 私の影が足元に短くとどまってから、水際に触れて揺れた。 何も起こらない一日だった。 歩みを止めて、また耳を澄ました。 葦の音と波の音、そしてそのあいだのどこかで、ヨシキリの声がつづいた。 私はその声を聞いたまま、ゆっくり歩いていった。

雀の声は短かった。私はさっき聞いた言葉をもう一度始めようとして、やめた。声の終わった場所には何も残らなかった。 雀はすぐに飛んでいった。私はコップを取って、水をひと口飲んだ。水はぬるかった。 雀の去った電線が、かすかに揺れた。

カササギが手すりの上で首をかしげた。私は洗濯物を抱えたまま立ち止まった。温かい日の光が、濡れた布団から湯気のように立ちのぼるにおいを運んでくる。そのにおいが肩をかすめていった。カササギの飛び立った場所には空の手すりだけが残って、洗濯物が風にもう一度ふくらんだ。

つま先が濡れているのに気づかなかった。アオサギが魚を捕らえるまで、私は水際に立って息をひそめていた。ずいぶん経って顔を上げると、霧が晴れて川の向こう岸が見えた。そこでようやく私も歩き出した。誰も待っている人はいなかったが、もう少しゆっくり歩いてもいいと思った。