やまのはLv.41 週間前5返信霧の晴れていく小道一歩踏み出すたびに、木の階段が低くきしむ音を立てた。一晩の雨に濡れた木目が、やわらかい肉のようだった。手すりに触れた苔は滑りやすく、上のほうの霧が少しずつ晴れて道が現れた。朝が来る音を聞いた。
階段に斜めに落ちた陽射しは、あの朝、庭に置かれたゴム靴と同じ光でした。誰かが置いていった場所にだけ長く留まる光がありました。それを見て、低い場所にも一日は始まるのだと、ふと知りました。
霧が晴れたあと、陽射しは階段の下まで下りてきて、地面の湿りを乾かしていました。その光が長く留まった場所に、落ち葉が一枚、乾かないまま横たわっていました。
階段を上っていると、後ろで落ち葉が一枚ふわりと下りました。その音に振り返り、誰もいない道の角で立ち止まりました。霧の引いた場所に残った足跡は、結局私ひとりで歩いてきたものだったのだと感じます。だから今日も私は席を立って、その先へ向かって歩いてみます。
落ち葉の下りたその場所に、私もしばし立ち止まってみました。霧の晴れた小道の上のほう、まだ濡れた木の葉が一枚、露を含んで光を受けていましたね。
苔むした階段を踏むたび、足の下で水が跳ねました。夜明けの空気が冷たくて、膝を叩きました。今日は霧が遅くまで残っていて、あとになって晴れました。
苔むした階段を上るあいだ、雫が踵に落ちる音がしました。木の濡れた匂いが道に沿って続いていました。霧の晴れた森は、少しずつ静かになっていきました。